原子力エネルギーについて
摩擦熱、石炭、石油の次に人類が手にした第4の火である原子力エネルギーを使わないということは、産業界だけでなく日常生活においても大変な不利益を受ける事になる、と。
石油や石炭などの化石燃料から作られるエネルギーよりも、はるかに少ない地下資源(ウランなど)で大きなエネルギーを安定的に得ることができる、原子力エネルギーを放棄するということは、将来の経済発展の可能性を放棄することにもなります。
また、安全保障の面からも原子力を放棄するということは、大変危険な事になります。
今の日本は、原子力アレルギーの言論空間に覆われています。私も福島第一原発事故直後は原子力アレルギーになっていました。
昔、タイタニック号という豪華客船が沈没した事件がありました。
多数の尊い犠牲者が出ましたが、その後、もし、「船による航行は大変危険である」ということで、世界中の客船の製造開発を中止していたら、どうなっていたでしょうか?
今、豪華客船でいく世界一周旅行が人気ですが、そんなことはできなかったかもしれません。
かつてスペースシャトルが爆発した事故がありました。尊い命が犠牲になりましたが、その後、「宇宙ロケットは大変危険である」、ということで世界中でロケットの製造開発を中止していたらどうなっていたでしょうか?
今から71年前に広島、長崎に原爆が投下されました。その後、日本は、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核3原則を国是としています。
当時も原子力アレルギーになっていたのですが、平和利用という事で原子力発電所は積極的に作られていき、一時は日本の全エネルギーの約30%を担っていました。
今はその30%分を火力発電所によって急場をしのいでいますが、いつまで続くかかわかりません。
火力発電所を動かすということは、それだけCO2が大量に発生するという事になります。
日本の「原子力アレルギー政策」を尻目に見ながら、お隣の大国は積極的に原子力発電所を建設しています。
その大国は一党独裁国家ですので、マスコミ主導による反原発の世論が形成されることはあり得ず、党の計画通りに作られていきます。
そして、今から20年後、日本の「原子力アレルギー政策」による経済力の没落の一方、近隣の大国の原子力エネルギー重点政策による経済力の繁栄により、日本は2度と近隣の大国に追いつけないほどの経済格差が生じてしまうでしょう。
その時になって慌てて、「原子力アレルギー政策」を転換しても、すでに、日本人の原子力エネルギーのエンジニアはほとんどいなくなっているので、近隣諸国のエンジニアから教えてもらって、原子力発電所を再稼働する事態になっているかもしれません。
また安全保障からいうと、今までの日本は、米国による核兵器の傘の下に平和を謳歌しておりますが、その米国の政策変換により、いつ日本から米軍が撤退するかわかりません。
また、米軍が撤退しないまでも、その規模を縮小し、日米安全保障条約の内容を変更し、日本を守ることに消極的になるかもしれません。
そうなったら、日本は丸裸になります。
日本の近隣諸国は皆、核武装しています。ロシアは北方領土を足がかりに北海道を、中共は台湾と沖縄を自国の領土とする野心を、70年前から虎視淡々と狙っています。
米国の核兵器の傘の下にいたからこそ、日本は平和を維持することができたのです。
ごく一部の人は、核を持たないことで平和が維持される、軍隊を持たないことで平和が維持される、という主張を声を大にして叫ばれます。
しかし、残念な事に、世界平和は軍事力のパワーバランスの元に維持されているのです。
「いざとなったら核兵器により報復するぞ」というメッセージを、野心を持った近隣諸国に与える事で、平和が維持されるのです。
環境保護団体は、原子力エネルギーは放射能汚染の危険があるので、再稼働すべきではない、と言って「原子力アレルギー政策」を主張しますが、日本が核兵器の傘から丸裸になってしまった時、野心を持った近隣諸国から原子力爆弾が飛んできてしまうかもしれません。
自国で原子力発電を使わないと叫んでも、空から原爆が飛んできてしまったら、どうなると思いますか?
71年前の広島、長崎に投下された原爆の数百倍の破壊力を持った核爆弾が野心を持った近隣諸国から飛んできた時、その犠牲者はどれほどになるでしょうか?
放射能汚染により環境が破壊されるばかりでなく、尊い人命も数十万人規模で奪われ、かつて日本が経験した主要な大都市が、再び一面焼け野原となってしまうでしょう。
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